2017年6月28日水曜日

FREED+ カーナビを買い替えた話 2(KENWOOD MDV-Z704)

さて、「カーナビを買い替えた話 1」で書いたように、新車で取り付けたECLIPSEは残念ながら返品せざるを得ない状況になってしまいました。前の投稿にも書いたことですが、ナビを選ぶ時には、まずオートバックス等で実機に触ってみるべきです。

そこで、今回改めてオートバックスに出向き、実機をいろいろ触ったりして、KENWOODのMDV-Z704に決めました。触ってみると、このナビの操作性の良さが他社製品と圧倒的に違う事がわかります。

このナビは、他のナビに比べると、本当にものすごく良いものです。

想定外に良いのです。前のナビに比べたら、雲泥の差です。ほぼ同じ値段で、こんなにも差がでるものなのか、と正直驚いています。

このナビはとにかく、非常に細かくドライバーの目線に立って作られたナビだと思います。地図・案内・表示等ナビとしての本質や、音質や対応メディアの多さなどカーAVとしての本質を充分に満たしながら、細かい点でも痒い所に手が届く製品です。

(自分としては、2002年に買ったPanasonicのナビ、2013年に買ったPanasonicのポータブルナビ、2017年に買った富士通テンのナビとの使用比較、並びに、店頭での他製品との比較)。

先ず、前の教訓を受け、ナビを選んだ基準にしたのは、
1.操作性が良いこと
2.地図が見やすいこと
3.そこそこきちんとルートを案内できること(運転者が別の道を選んだ場合は、以前のルートに拘らず、すばやくリルートすること)
4.交差点等の案内がタイミングよいこと
5.AVの再生が、iPhone(iPod)に加え、USBやSDカードに適応していること
でした。

1.【操作性】

まず、店頭で実機を触ってみればわかりますが、非常に操作性に秀でています。「サイソク」というネーミングは伊達ではありません。

パナも、パイオニアも、富士通テンも、二本指でのピンチアウト、ピンチイン等の操作が「出来る」と言っても、スマホやiPhone等には遠く及ばず、実際には、反応が遅くて使いにくいものです。その点、このナビは、スマホと同じ感覚で、すっと大きくしたり小さくしたりできます。スクロールもスマホ同様に素早いスクロールが可能です。使ってみると、それによるストレスの無さは格別。信号停止の短い間に、さっとこれから先の道を調べるということが容易にできてしまいます。

また、2画面分割や、必要に応じたAV画面のポーズイン等の操作も画面左端からのドラッグというワンアクションで、すっとできます。いちいちメニューから選択する必要がないのです。

さらに、画面に表示された青看板等が邪魔な場合、そこに触れるだけで消せます。ドライバーはなるべく視線を正面から外したくないので、このように一瞬のちら見でワンアクションでできるということは、ストレスにならないだけではなく、本当に安全面で大切なことだと思います。


2.【地図の見やすさ】

私は基本的に、ナビは、まず「地図」として使います。これは前のナビを買った時から変わっていないことです。だから、いくら3D等の表示が綺麗で案内機能が優れていたとしても、地図として見やすくなければ失格です。その点このナビは、15年ほど前のパナのナビの地図にはかなわないですが、現行の物の中では見やすい方です。例えば、富士通テンのECLIPSEが、「実際の道の太さがほとんど同じなのに、ナビ上非常に太く表示されたり細くなったりと、どの道を選ぶべきか直観的にわからない」のに比べたら、とても見やすいです。そして、なにより、操作性がいいので、見やすい縮尺にすぐに持っていけるから、ある縮尺だけでは見られる範囲が狭すぎたり、情報が少なすぎたりといったことがあっても、ストレスになりません。


100m縮尺から市街図があり、一方通行の表示が出てくれるのもありがたいです。


3.【ルート案内】

デフォルト設定でも私にとってはいい感じですが、人によっては狭い道を案内しすぎるとの評もあります。このあたり、道幅の好みや渋滞考慮、踏切迂回など、自分好みのルート案内の度合いを機能の「オンオフ」だけではなくて、細かく段階で設定できる「マイルートアジャスター」で設定するとかなり自分好みになります。また、ルート学習も的確です。


4.【交差点の案内】

右左折する交差点の表示も大きな円グラフと色でそこまでの距離を示し、大きな矢印で方向を示してくれるので、一瞬目をやるだけで視認できて安全です。その上、交差点までの音声案内の他に、該当の交差点直前にポンポーンという電子音が鳴るので、タイミングを逃しません。(他のナビだと、音声の案内が流れているうちに交差点を行き過ぎるといったこともありました)。このような所も、ドライバー目線だと思います。

ナビの音量も細かく設定できるし、音声案内時に、AV音量を下げるかどうか等も好みで設定できます。このあたり、音楽重視の人やナビ重視の人など好みのとおり設定ができるところも魅力的です。


5.【AV機能】

さすがにKENWOODです。音質は(ナビとしては)かなりいいです。さらにハイレゾにも対応しているとのことで、ハイレゾ音源でなくても疑似的にハイレゾ的に補完してくれる機能もついています。音楽マニアな人にとってはさらにアンプの追加等をしたくなるのかもしれませんが、私は充分満足です。今まで持っていたカーオーディオの中でも最高の音質で、満足です。

音源についても、iPodやiPhoneとの連携はもちろんのこと、SDカードやUSBメモリに入れた音楽や動画を問題なく再生してくれます(システムのアップデート前は、レジュームがうまくいかないなどの問題があったようですが、解決しています)。富士通テンのECLIPSEでも、その機能があるはずなのに、5回に1回くらいしかUSBを認識しないなどの問題がありましたが、このナビはそういった問題もありません。

なお、USBの拡張に関して、Z904はUSBケーブルが3本ありますが、Z704は2本だけです。しかし、USBはハブで4つまで増やすことができるので、メモリも同時に4つ(+iPod)を繋げるため、問題ありません。USBメモリ間のソースメディアの切り替えもスムーズです。

また、細かい事ですが、USBのファイルシステムがNTFSに対応していることもポイントが高いです。例えば、64GBのUSBメモリはWindowsではFAT32ではフォーマットできず(Linux等では可能ですが)、exFATかNTFSになってしまいます。だから、Windowsしか持っていない場合、どこか他でフォーマットしないと、NTFS非対応のナビでは大容量USBメモリは実質使えないことになります。その点でもこのナビは優れています。


6.【その他】

iPhone等との連携。iPhoneにNaviConというアプリを入れることで、iPhoneで普通に地図等で目的地を探し(当然SIRIで探すことも可能)、ワンボタンでナビに転送(BluetoothかUSBケーブル接続)し、目的地に設定できます。なので、地図に無い新しいお店などでも目的地に設定できるところが魅力です。iPhoneを使い慣れた人間にとって、これは想定外に便利な機能でした。

他社ナビで、iPhoneとの連携をうたっているにも関わらず、SIRIが使えないなどというものもありますが、このナビはSIRIにもきちんと対応しています。

地図更新が年間3600円で2回の更新ができるのも安くてうれしい機能です。


【注意点】

かなり完璧なナビだと思いますが、以下の点は、注意が必要でしょう。


2D地図表示で、ノースアップ時にフロントワイド表示ができません。昔のナビはほとんどどこのものでもあたりまえにできたのですが、現行モデルで、これができるのは富士通テンのECLIPSEだけです。(ヘディングアップ時はフロントワイドにできるようですが、私はノースアップ表示しか使わないので、私にとっては意味がありません)。これができるとなお良かったと思います。(ノースアップ表示自体はもちろん可能です)。


目的地等の入力に、五十音順と携帯式のキーボードがあるのですが、フリック入力非対応です。それができればなお良しです。ただし、NaviConでiPhoneと連携させてからは、音声で検索ができるので、ほとんど目的地を入力しなくなってしまいました(やりたい場合は、iPhoneでならもちろんフリック入力ができますしね)。また、前述のように操作性が良いので、地図上で場所を把握している場合は、地図をさっと広域にしてさっとスクロールし、拡大してあっという間に目的地が選べるので、その点でも目的地の名称の入力の機会は少ないです。


自分好みにするためには、カスタマイズが必要です。ナビ機能、表示、音質、音像、など全てにカスタマイズ性が高いので、デフォルト設定のまま使うと、好み通りでないという印象になるかもしれません。また、音質や音像も、車に合わせてきちんと合わせて初めて実力を発揮する感じです。そのひと手間がかけられない人には、良くないかもしれません。


好き嫌いはあるかもしれませんが、私は全体のデザインも非常に洗練されていると思います。また、往年のオーディオファンにとって、音楽の画面でアナログVUメータを表示することができるというのも嬉しい遊び心です。


良い買い物をしたと思います。

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